なりたてほやほや管理職

 

おはようございます。

 

今回は会社の悪口を書きます。

 

もう3か月前のことですが、僕がお昼ご飯を終えて休憩室に入った時、

 

青果のリーダーがすでに休憩していました。

 

彼は僕に近づいてきて「お金があればこんな会社、すぐに辞めたい。

 

辛いことばかりだよ」と、共感を求めてきました。

 

僕は「どうしたの?」と尋ねると、彼はここの副店長が理不尽なこと

 

ばかり言うので、腹が立って仕方がないそうです。

 

でも、家族を養うためには仕事を辞めるわけにはいかないという

 

苦しい気持ちも抱えていたようです。

 

実は、僕も彼と同じような感情を持っていて、彼の言葉に共感し、

 

救われる思いでした。

 

この副店長は、今年の春の人事異動でこのお店に異動してきた

 

新たな上司でした。

 

それまでは別のお店で鮮魚部門のリーダーをしていました。

 

副店長は僕より年下でしたが、中途入社の僕よりも社歴が長く、

 

僕は年下の上司を迎えることとなりました。

 

その頃はお花見シーズンでした。

 

僕は副店長に「おはようございます。もうお花見に行かれましたか?

 

今が見頃ですよ」と挨拶しました。

 

すると、副店長は「そんなことはどうでもいい。開店準備を急いでください。

 

今日はお花見需要で朝から忙しいんですよ」と冷たい返事でした。

 

管理職になったばかりの副店長は気合が入っていて、とても仕事に

 

厳しく、甘えや手抜きを許しませんでした。

 

年下であることと、副店長があまりにも厳しいので、時折僕は

 

彼に反論することもありました。

 

しかし、反論すればさらに仕事が増えてしまい、黙って従うしか

 

ありませんでした。

 

彼の仕事には人情味や温かさが感じられず、僕の接し方が誤って

 

いたことに気づきました。

 

副店長の指示はとても細かく、売り場における注意事項だけでなく、

 

バックヤードの整理整頓、部下の教育、作業指示など広い範囲に及びました。

 

仕事が終わって帰ろうとすると、副店長が僕を事務所に呼び寄せ、

 

毎日のように、仕事のミスや手抜きを厳しく指摘し、改善を求めました。

 

年上からの叱責はまだしも、年下からのそれは屈辱感を覚え、

 

耐えられないものでした。

 

そんな日が続くと、僕は次第に会社に行くのが嫌になりました。

 

救いだったのは、僕が副店長からの指摘を受けながらトレー置き場の

 

整理をしている時、一人のパートさんが「いつも副店長から何かと

 

注意されて大変ですね」と言って手を貸してくれました。

 

僕の気持ちが分かっているんですね、とても嬉しく思いました。

 

青果のリーダーとの話から数日後、僕が事務所で仕事をしてると、

 

店長と副店長が仕事について話し合っていました。

 

気づかれないようにこっそりその会話を聞き、その内容に僕は驚きました。

 

店長からの副店長への指示は、副店長がいつも僕たちにするのと

 

全く同じものでした。

 

この瞬間、僕は副店長は上からの指示を伝えるだけで、彼には

 

自分の意志はないのかと心の中で笑いました。

 

副店長もまた、仕事の不手際を指摘され指導力がない、と僕と同じように

 

店長から叱られていました。

 

店長から叱責され、部下からは嫌われる中間管理職って

 

辛いもんだなと僕は痛感しました。

 

その後、事務所を出た副店長にバックヤードで出くわしました。

 

その瞬間、僕は以前にパートさんが手伝ってくれた時のことを

 

思い出しました。

 

僕はパートさんのように優しくはありませんが、少し言葉を変えて

 

「副店長、慣れない仕事は大変ですね、でも、いつも僕は感心して

 

いるんですよ、その仕事ぶりならすぐに店長になれますよ」と煽てると、

 

彼は嬉しかったようで、一瞬だけ顔の表情が緩みました。

 

それを見て僕は、彼のことを単純な人間だと理解しました。

 

それからは、僕は副店長に何を言われても気にしなくなり、

 

心の中で「あっかんべー」と思いながらも忠誠を示す演技をしました。

 

僕は彼から学んだ唯一のことは、サラリーマン人生の処世術でした。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。