ベテランパートさん

 

おはようございます。

 

僕はスーパーでお肉の仕事をしていますが、人間関係には様々な

 

問題がありますね。

 

今回は少し前の、僕の仕事場で起きた出来事について書いてみたいと思います。

 

僕の部門には、勤続15年の経験を持つベテランパートさんがいました。

 

彼女は僕より年上で、その経験と勤続年数から来る威厳もあり、

 

他のパートさんは誰も彼女に逆らうことはできませんでした。

 

彼女の仕事ぶりは素晴らしく早いのですが、自己中心的で気分屋的な

 

一面もありました。

 

彼女の態度によってみんなが振り回され、新人たちも彼女の教育に

 

耐えきれず、早々と辞めてしまうことがよくありました。

 

実力のある優秀な人ほど彼女のもとで働く期間が短かったんです。

 

彼女は自分の仕事が追い越されると感じる人には、必要以上に厳しく

 

指導しました。

 

そのため、新しい人はなかなか定着しませんでした。

 

パートさんが多く働くスーパーでは人間関係は重要なことです。

 

そこで僕は店長と相談し、彼女を総菜部門に配置換えすることにしました。

 

彼女が新たなスタートを切り、心機一転して仕事に取り組んで

 

くれることを期待しました。

 

彼女は人間関係については自信を持っているように見えましたが、

 

実は不器用な一面を持っていました。

 

慣れない仕事で失敗ばかりし、話術に長けている彼女は言い訳ばかりして、

 

惣菜部門でも嫌われることになり、次に青果部門に異動することになりました。

 

青果部門でも、仕事の遅さを口でごまかしていました。

 

最終的にはレジ部門で働くことになりましたが、お客さんとの

 

トラブルが絶えませんでした。

 

たまたま僕はお昼休憩中に彼女がご飯を食べているのを見つけ、

 

隣に座って最近の状況について話を聞きました。

 

彼女はお肉の仕事をしていた頃を思いだすと、今の仕事はどれも

 

自分に合っていなくてつらく感じ、仕事を辞めたいと僕に漏らしました。

 

僕は知らなかったのですが、その頃彼女のご主人が失業中で、働いて

 

収入を得るのは彼女だけでした。

 

なので辞めたくても辞められないようです。

 

それを聞いて、彼女をこんな立場に追い込んだ僕は申訳なく思いました。

 

今更お肉の部門に戻すことはできません。

 

それから僕は、毎朝洗面所で顔を見ると、情け知らずの鬼に見えました。

 

しかし、運命は彼女に再びチャンスをもたらしました。

 

彼女はひとりで売り場全体の商品を一つひとつチェックする品質管理の

 

仕事を任されることになったのです。

 

すると、なんとその仕事が彼女に合っていたんです。

 

実は、彼女自身が人間関係に苦手意識を持っていたのです。

 

彼女は本当は弱い人間であり、その弱みを他人に知られるのが嫌で、

 

それを強い態度で隠していたのです。

 

しかし、彼女は自分の欠点に気づき、謙虚になるようにと努力しました。

 

その結果、お店の商品の鮮度が格段に上がり、店長に褒められるように

 

なりました。

 

そして今では、ステキな笑顔で仕事に取組む日々を送っています。

 

彼女の配置転換は波乱に満ちていましたが、最終的には自分に合った

 

仕事に出会い、自信を取り戻したようです。

 

本当によかったです、それを聞いて僕は嬉しくて涙が出ました。

 

人間関係には悩みや苦労がつきものですが、それを乗り越えた彼女の姿を

 

見て僕は勇気と希望をもらいました。

 

僕は彼女が辞めなくてほっとしています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。