永遠の愛

 

おはようございます。

 

先日のお休みの日、お天気が良かったので、僕は娘を連れて公園に

 

遊びに行くことにしました。

 

すると、向こうからお年寄りの夫婦がふたり並んで歩いてくるのが

 

見えました。

 

ふたりは仲良く手をつないで歩いていました。

 

すれ違い様に「こんにちは」と挨拶すると、ふたりも笑顔で

 

「こんにちは」と応じました。

 

その幸せそうな夫婦を見て、なんだか心が温かくなりました。

 

おそらく、彼らも僕たち親子を見て幸せそうに感じたことでしょう。

 

話は変わりますが、僕の職場には先輩で独身男性がいます。

 

彼は独身主義ではないのですが、何らかの理由でこれまで

 

ひとりで生活してきたようです。

 

忙しかった年末・年始を乗り越え、ゆったりした気分で

 

お昼ご飯を食べていると、目の前に座っているその彼が突然僕に向かって

 

「結婚して今、幸せか?」と聞くんです。

 

僕は「いろいろあるけど、できるだけ幸せだと思うようにしています」

 

と答えましたが、彼はどこか物足りなさそうな表情を見せました。

 

彼は話を進めました。

 

彼は数年前、休みの日にひとりで歩いているうちにペットショップを

 

見つけたそうです。

 

彼は足の向くまま店内に入りました。

 

中には可愛らしい子犬たちがガラスケースの中で遊んでいました。

 

お客さんもたくさんいて、やさしい眼差しでその子たちを見ていたそうです。

 

ある若い夫婦が店員さんに、「この子可愛いから抱いてもいいですか?」

 

とお願いしていました。

 

店員さんはそっとその子を抱き上げ、ふたりに渡しました。

 

その夫婦は交代しながらその子を抱きました。

 

すると奥さんが「あの子も抱いていいですか?」と別の子犬を

 

希望しました。

 

ふたりは2匹の子犬を抱き比べしたそうです。

 

ふたりは相談して結局2番目の子を選びました。

 

その時、彼は選ばれなかった方の子が可愛そうになったそうです。

 

彼は自分だったら2匹の子犬を天秤にかけるのではなく、

 

最初に気に入った子犬に決めるのが当然だと思ったそうです。

 

実は、彼は若い頃、好きになった女性がいて付き合っていたそうです。

 

ところが、彼女は心変わりをして別の男性と結婚したそうです。

 

彼はその彼女のことが忘れられず、今まで独身だったようです。

 

なので、最初に抱かれた子犬が可愛そうと思ったのでした。

 

彼は選ばれなかった子犬を買って自分で育てることにしたそうです。

 

僕は知人の紹介で今の奥さんと出会い、結婚しました。

 

最初は奥さんがいろいろと僕のために尽くしましたが、子供が

 

生れてからは子育てに専念し、僕のことはそっちのけです。

 

今では、顔を合わす度に夫婦喧嘩が絶えません。

 

独身の彼のように、ひとりの方がいいと思うこともあります。

 

しかし、奥さんの誕生日にプレゼントを忘れないことが長続きの秘訣です。

 

彼はペットを自分の子供のように愛して可愛がっています。

 

彼は男と女、人間とペットがひとつ屋根の下で暮らすのがどちらが

 

幸せなのか知りたかったようです。

 

彼の質問は、夫婦の愛と親子の愛を比べるようなものです。

 

僕はどちらが幸せかと聞かれても困りました。

 

そんな時、以前出会ったお年寄りの夫婦のことを思い出しました。

 

永年連れ添ったふたりの笑顔が目の前に浮かびました。

 

僕はその瞬間、人に対する愛とペットに対する愛を比較するのではなく、

 

いかに深く永く愛することの方が大切ではないかと答えが出ました。

 

それを聞いて彼は永遠の愛の重さに納得したようで、彼とペットとの

 

絆がますます深まったようです。

 

彼にこう言ったため、僕は死ぬまで奥さんと別れることが

 

できなくなりました。

 

共に白髪が生えるまで仲良く長生きしたいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。