横並びの人生

 

おはようございます。

 

僕のブログでは最近のことだけではなく、過去の思い出を振り返りながら

 

記事を書くことがよくあります。

 

懐かしい思い出を蘇らせることで、書くことが楽しくなるんです。

 

今回は1年前のある日の出来事です。

 

僕はいつものように精肉部門の作業場でお肉を切っていました。

 

社員は7時に出勤し、朝のパートさんは8時からの出勤でした。

 

社員だけの時間は黙々と作業をするのですが、パートさんが

 

出勤すると一気に賑やかになります。

 

開店前の寒くて薄暗くひっそりとした売り場と違って、明るい作業場は

 

自然とおしゃべりしたくなる雰囲気です。

 

仕事の話もしますが、前日の夜のテレビ番組のこと、家族のこと、

 

お店のうわさ話まで、様々な話題が飛び交います。

 

そんな中、ひとりのパートさんが最近総菜部門に異動してきた社員が、

 

僕にそっくりだと言うんです。

 

他のパートさんも同意見でした。

 

僕はまだその人を見たことがなかったので、「どんな人?」と興味深々で

 

尋ねると、「横顔がとてもよく似ている」と彼女は言いました。

 

彼女が僕のことをどのように見ているのか気になりました。

 

その後、売り場で彼の姿を初めて見ました。

 

そのときは正直なところ、僕と彼はあまり似ているとは

 

感じませんでした。

 

お人好しに見えたものの、どこか暗く沈んだ雰囲気が漂っていました。

 

彼と比べて、僕はもっと明るく元気に振舞っているつもりでした。

 

横顔が似ているとパートさんが言っていたので、家に帰って

 

鏡で横顔を確認しました。

 

じっくり見ると確かに横顔がよく似ていると思いました。

 

特別なのでしょうか、僕は今まで自分の横顔を見ることがめったに

 

なかったんです。

 

僕は心の弱さを隠していたつもりですが、実は彼のように

 

暗く沈んだ人間に見られていたのかもしれません。

 

前向きな人生を突っ走っていたと言えば聞こえはいいのですが、

 

実は僕は目の前にある障害物を早く乗り越えることばかり考えて、

 

乗り越えねばならない壁の高さに苦しんでいたのです。

 

「どうしてこんなこともできないの?」と言われてもできない、

 

不器用さの上に、涙の数だけ10人前でした。

 

今になって思うに、弱い僕は社会で生きていくのに精一杯で周りが

 

見えていなかったのです。

 

そんな僕を見かねた先輩が、「心の勉強のためにブログを始めてみない?」

 

と勧めてくれたのです。

 

ブログを読み始めてから、周りには僕と同じような悩みを抱えて

 

いる仲間がいることに気づきました。

 

僕の横顔にそっくりな人が、ブログを通じて心の声を発しているんです。

 

ひとりぼっちでどうにもならない、深い切なさと苦ししみが

 

その文章に込められていました。

 

僕は共感して堪らずコメントで、感じたままの素直な気持ちを

 

伝えました。

 

しばらくしてコメントの返事が届きました。

 

「とても温かいお言葉、ありがとうございました。

 

私のことを本当に理解していただき、嬉しくて涙が出ました。

 

私と同じ気持ちの人がいることが分かり、勇気が湧きました。

 

涙が止まりません、本当にありがとうございました。」

 

こんな返事が返ってくると、僕も感激して胸が熱くなりました。

 

ブログって心が繋がるんですね。

 

僕は自分に言い聞かせました。

 

「そんなに急いでどうするの、ひとりでまっすぐ進むことだけが

 

幸せへの近道ではないんだよ。

 

横を見てごらん、そこには僕と同じように悩みを抱えている友が

 

たくさんいるんだよ。

 

きっと僕のことを理解してくれる人が見つかるから。

 

回り道したっていいじゃない、友と仲良く手をつないで歩こうよ。

 

競争しないで、ともに歩む横並びの人生という選択もあるんだよ。

 

そのほうが本当は幸せへの近道かもしれないよ。」

 

僕はブログを始めたことで大きな宝物を見つけました。

 

ブログは心のドクターのようです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。