小さな勇気

 

おはようございます。

 

僕は現在、スーパーの精肉部門で働きながらブログを書いています。

 

お肉の仕事の中には、挽肉を作ってお店で販売する作業があります。

 

担当しているのは入社して半年の若い女性のアルバイトです。

 

彼女はお肉を大切に扱い、常に鮮度と品質に気を配り、責任感の強い人です。

 

僕のお店の挽肉の作り方はまず、半解凍の挽肉用のお肉や当日切り残した

 

お肉を使って粗挽きにします。

 

それから、挽肉にしやすいように冷凍庫で少し凍らせ、やや固くします。

 

その後、細挽きにしてパックに詰め、売り場に出します。

 

1日に30~40Kg作るのですが、2度挽きが必要なため、かなり忙しい作業です。

 

でも、毎日同じ作業をするので、アルバイトの女性でもできる単純な作業です。

 

先日のことです。

 

アルバイトの女性が粗挽きを終えていた時に、何か迷っている様子でした。

 

僕は彼女に「どうしたの?」と聞くと、彼女は「何でもありません」と答え、

 

別の作業に取りかかりました。

 

いつもは仕事を順調にこなす彼女が、こんなに考え込んでいる姿を初めて

 

目撃しました。

 

僕は気になりましたが、忙しさに追われていたので、自分の作業に戻りました。

 

するとしばらくして、彼女は何かを決断したかのように、小さな声で

 

僕に話しかけました。

 

周りの人たちは忙しそうに働いている中、彼女は手を止めて

 

僕に話すので、何事かと思いました。

 

生鮮部門で働く人は衛生管理のために使い捨ての薄いゴム手袋をして

 

作業を行っています。

 

彼女が粗挽きの挽肉を作り終えて手を洗おうとした時、左手の手袋が

 

何かに当たって切り裂かれたように破れているのに気づいたようです。

 

どの作業段階で手袋が破れたのか全然わからなかったそうです。

 

もしかしたらその断片がお肉の中に混入しているかもしれません。

 

彼女はその挽肉を1時間近くかけて作り、お肉の価値にして数万円になります。

 

作った挽肉を廃棄して再度作り直すということはとても大変です。

 

時間とお肉がロスになり、一緒に働く他の人に迷惑をかけることになり、

 

お店にも損害を与えることになります。

 

彼女は自分のしたことの重大さが自分の責任で負えるもの

 

ではないと感じたようです。

 

最初は彼女のしたことの責任をごまかそうとしたようです。

 

彼女は破れた手袋を見て、もしかしたら手袋は破れているだけで断片は

 

お肉に入っていないかもしれないし、入っていても小さいもので挽肉と一緒に

 

つぶされて、お客さんには気づかれないだろうと思っていたようです。

 

しかしその後、もし万が一お客さんからのクレームがあれば重大なことに

 

なると気づき、言おうかどうしようかと迷っていたようでした。

 

しばらくして気がつくと、その時その粗挽きはまだ冷凍庫の中にあり

 

売場には出ていませんでした。

 

彼女は忙しく働く仲間に申訳ないと思いながらも、勇気をもって

 

今ならまだ間に合うと思い、僕にそのことを話してくれました。

 

彼女はすぐに言わなかったことを謝りましたが、

 

僕は彼女の勇気を立派だと心から思いました。

 

もし、彼女がそれを隠してその場をしのいだとしても、それは彼女の

 

心の中にいつまでも忘れられない記憶として残るかもしれません。

 

結局、作業時間とお肉のロスは発生しましたが、僕は小さな勇気が彼女の

 

人生にとって大きな成長の機会となったと思います。

 

道理に反することなく、自分自身を恥じることなく生きることで、

 

彼女の未来は必ず明るいものになると確信しています。

 

 

僕にはまだまだ書きたいことは山ほどありますが、仕事が忙しくなり、

 

少し心の整理をしたいと思います。しばらくお休みします。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございまし