幸せの奴隷

 

おはようございます。

 

僕が老人ホームで働いていた時の話です。

 

僕はその頃、仕事がお休みの日には、家族と一緒にファミリーレストラン

 

行って食事を楽しむことがありました。

 

みんなで注文するメニューはいつも一番安い日替わりランチでした。

 

僕が働く介護の仕事はハードな環境でしたが、その給料は低いものでした。

 

そんな僕は、高級レストランで美味しい料理を存分に味わい、

 

お腹いっぱい食べることが夢でした。

 

そのために、一度限りの人生ならどんなことをしてもお金を

 

稼いで幸せになるんだと心に誓ったのでした。

 

話は変わりますが、僕が働いていた老人ホームには、人生経験豊かな

 

お年寄りが集まっていました。

 

僕はある男性から人生について教えてもらうことがありました。

 

彼は学校を卒業してすぐに日本料理のお店で見習いとして働いたそうです。

 

でも、その修業はとても厳しく、1年間頑張った後に辞めてしまったようです。

 

その後、別の飲食店で働いたそうです。

 

しかしそこは給料が安く、将来の夢を描くことができませんでした。

 

彼はそこで5年働いた後、より良い生活を求めて自分でお店を開業したそうです。

 

彼の努力の結果、お店は順調に成長し、3店舗まで拡大することができたそうです。

 

その時点で、彼は生活に十分すぎる収入を得ていました。

 

このままお店を続けていれば、彼は成功者として称賛されたことでしょう。

 

しかし、欲には限りがなく、より大きな成功を求め、彼はお店の運営を

 

他人に任せ、不動産や株式での儲けを追求し始めたそうです。

 

その頃はバブルの最盛期で、不動産や株は驚くほど上昇を続けていました。

 

彼はお金を借りるために土地と店舗を担保にしたとのことです。

 

その当時、不動産の担保があれば、銀行はいくらでもお金を

 

貸してくれたそうです。

 

彼の奥様は安定した生活を望んでいましたが、彼はその言葉に耳を

 

貸さなかったようです。

 

最初は順調だったようですが、バブルがはじけ大不況が訪れ、

 

彼の計画は裏目に出て大損をする結果となったそうです。

 

彼は借金を返済するために、順調だったお店を手放すことになったそうです。

 

彼の家族は彼の家庭を顧みない自己中心的な態度に呆れ、一家は散り散りに

 

なったそうです。

 

彼はお店もお金も大切な家族も失ったようです。

 

彼はその時、自分は幸せの奴隷だったと気づいたようです。

 

彼の人生における教訓は、幸せとは追い求めるときりがなく、今の瞬間を

 

満足と考えることが真の幸せへの近道だと気づきました。

 

僕はその話を聞いて考え方が変わりました。

 

僕はこのままでは彼と同じように幸せの奴隷になってしまうと反省しました。

 

高級レストランで贅沢なごちそうをお腹いっぱい食べることが

 

できなくてもいいのです。

 

今まで満腹になるのが幸せだと思っていた僕のお腹も、

 

足るを知るということを学びました。

 

給料が安くても、お年寄りのために地道に働き、お腹がペコペコの時に

 

家族との食事がどんな贅沢な料理よりも美味しいことに気づきました。

 

空っぽのお腹は奴隷から解放され、やがてたくさんの幸せを吸収するのです。

 

空腹は最高の調味料で、美味しさを引き立てるのです。

 

僕は腹八分目が心身の健康にとって良いことだとわかりました。

 

 

ブログを始めて半年になりました。ここまで続けることができたのは

みなさまのお陰だと心から感謝しています。

ありがとうございました。