居所を知られたクレーマー

 

おはようございます。

 

スーパーで働く僕は、お客さんの楽しそうに買い物をする姿を見ると、

 

とても幸せな気分になります。

 

家族みんなで食べる夕食はどんなに美味しいことでしょう。

 

でも、時にはお客さんに迷惑をかけて、申し訳なく思うこともあります。

 

商品の品質やサービスに関するクレームをお客さんから受けることがあります。

 

ある時、うちのお店で買ったイチゴの鮮度が悪く、お客さんがレシートと

 

商品を持って交換に来ました。

 

そのお客さんは激怒していて、側にいた僕にもその怒声が聞こえました。

 

上から見ると鮮度がいいのに底の部分は傷んでいると言っていました。

 

果物の担当者は新鮮なものと交換しましたが、鮮度管理はしっかり

 

するようにときつく指導を受けました。

 

何日か後、そのお客さんは夕方お肉を買いに来ました。

 

牛ロース肉ですき焼きを作りたかったようですが、その日は

 

僕の販売予測ミスで、牛ロース肉が売り切れていました。

 

お客さんはどうして牛ロース肉がないのかと怒り出しました。

 

僕は謝り、代わりに牛肩ロース肉はいかがでしょうかと勧めましたが、

 

品切れしたことを謝らないでごまかすのか、と更に機嫌が悪くなりました。

 

僕の謝り方が悪くて、お客さんの気分を害したと反省しました。

 

その後、そのお客さんは、総菜部門の煮物の中の筍が硬いとか

 

レジ部門のアルバイトの接客態度が良くないなど、どこの部門でも

 

クレームをつけていたことが僕の耳に入りました。

 

他の人は彼のことをクレーマーだと言って嫌っていました。

 

でも彼は、自分の主張を強く訴えることで、自分の存在感をアピールしようと

 

することもあったかもしれませんが、理不尽なクレームをつけることは

 

ありませんでした。

 

お店がお客さんのことを考えないで自分たちの都合で営業している

 

ことに対してクレームをつけているだけでした。

 

本当は、他のお客さんが不満に思いながら黙っていることでも、

 

気付いたことを正直に言ってくれる、ありがたいお客さんかもしれません。

 

ただ、彼があまりにも感情的になってクレームをつけるため、

 

周りの人は彼のことを嫌がっていたと思います。

 

ある日僕は、お昼休みにご飯を食べた後、お天気が良かったので

 

お店の近くを散歩しました。

 

お店から10分くらい歩いた場所で、たまたまそのお客さんが庭で花に

 

水やりをしているのを見かけました。

 

僕は彼に声をかけ、「お客さんはこちらにお住まいですか。いつもお世話に

 

なっております。いつも貴重なご意見ありがとうございます。これからも

 

何でもおっしゃって下さい」と挨拶しました。

 

すると彼は、バツが悪そうに下を向いて家の中に入って行きました。

 

その時の彼は、いつもとはまったく態度が違っていました。

 

彼は自分の居所を知られたことで、自分の行動について後悔したのか

 

恥ずかしく思ったのかもしれません。

 

その後、彼はお店に来てクレームを言うことはありませんでした。

 

僕が恥ずかしげもなく、思う存分ブログを書くことができるのも、

 

彼がクレームを言うことができたのと同様に、自分がどこの誰だか

 

知られていないからかもしれませんね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。