現実の世界とブログの世界

 

おはようございます。

 

僕は毎日お昼ご飯は会社の食堂で食べています。

 

いつも午後1時ころ食事休憩を取りますが、僕が食べ終わって

 

休憩室に行く頃、女性グループが食堂にきます。

 

いつも同じメンバーなのですが、ひとり中心的な人物で大声で

 

話す女性がいます。

 

僕は彼女とは挨拶をする程度で、ほとんど話をしたことがありません。

 

彼女が座って食べる席と男子休憩室の距離が近く、いつも入り口付近で

 

休憩する僕は、大声で話す彼女の声がはっきり聞こえます。

 

休憩時間が重なるため、週に2 、3回は彼女の話を聞くことになります。

 

別に聞こうとするわけではありませんが、自然と彼女の話が耳に入ります。

 

彼女の話を聞いて、みんなが大笑いすると、なんだろうと気になります。

 

ご主人のこと、子供のこと、彼女の年齢や趣味のこと、毎日の生活のこと、

 

何でもしゃべってしまうんです。

 

1年も話を聞いていると、彼女のプライベートが分かってきました。

 

もう一度言いますが、彼女の話に聞き耳を立てているわけではありません、

 

自然に耳に入ってくるのです。

 

ある時、同居しているご主人のお母さんが最近どうも様子がおかしいと

 

心配しているようでした。

 

普段は大人しい人のようですが、急に怒りだしたり、突然変なことを

 

言うようになったそうです。

 

彼女はご主人のお母さんのことが心配になって、どこで誰に相談して

 

いいのかわからなくてとても困っているようでした。

 

僕は以前老人ホームで働いていたこともあって、それは認知症

 

初期症状かもしれないと思いました。

 

彼女のことを知りつくした僕は、彼女の心配が他人事には思えませんでした。

 

同じ人のブログを読み続けるような感覚です。

 

ある時、食堂で食事をしながら彼女が来るのを待ち、ブログにコメントを

 

書くような気持ちでした。

 

そのとき僕は、彼女のためにと介護で勉強した認知症の参考書を持っていました。

 

やがて彼女が食事のために食堂に来ました。

 

僕は食事を終え、休憩室に行く前に、彼女にその認知症の参考書を渡して、

 

「困っているようですから、この本を読んで下さい」と言いました。

 

すると彼女は変な顔をして、「どうして私が困っていることがわかるんですか?」

 

と不思議そうな顔をしました。

 

僕は黙って、その本を彼女のテーブルに置いて休憩室に入りました。

 

自分が彼女の力となったと思い、少しうれしく思いました。

 

僕が休憩を終えて休憩室から出ると、彼女の座っていたテーブルに

 

認知症の本は置きっぱなしでした。

 

それからは彼女は男子休憩室から一番遠い席に座るようになりました。

 

彼女は知らない人に自分のことを知られて恥ずかしかったのでしょう。

 

そのとき僕は気付きました。

 

ブログって、自分の正体を明かさなくてもいいから、

 

恥ずかしくても本音で書けるんですね。

 

本音で書いたブログは読む人との心に共感が生まれます。

 

だからブログは現実の世界とは違って、知らない人とでも心が

 

繋がるんですね。

 

現実の世界とブロブの世界を混同した僕が悪かったと反省しています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます