不安な人事異動

 

おはようございます。

 

3月も中旬となりましたね。

 

桜の開花ももうすぐで、心待ちにしている人もたくさんいるでしょう。

 

でも、同じお店に勤務して3年、4年が過ぎた社員にとってこの時期は

 

桜どころではありません。

 

これから月末にかけて人事異動の内示があるからです。

 

僕のお店でも今その話題で持ちきりです。

 

そろそろ異動の時期である僕は、心配症なので、その話題を聞くと憂鬱になります。

 

店長などの管理職は一足先にすでに異動があり、新しいお店に赴任しています。

 

優秀な人はその仕事ぶりを評価されて昇進を待ち望んでいる人もいるでしょう。

 

でも出世したいと思わない僕は、そんなことはどうでもいいのです。

 

僕は職場環境が変化することに大きな不安を持つ人間です。

 

自分がどこに行かされるのかと思うと心配で心配でたまりません。

 

人はそんな僕を、なんて臆病者なのか、と思うかもしれませんが

 

これだけは生まれつきの性格、不安はどうにもなりません。

 

前回の人事異動の時のことです。

 

ある日突然、店長からひとりずつ順番に異動者の面接があるのですが、

 

その順番を待っている時はとても仕事が手につきませんでした。

 

大きな不安を抱えた僕は、心を落ち着かせるために売場を巡回して

 

気を紛らわせました。

 

それからドキドキしながら面接です、店長に自分の行き先を告げられると

 

今までの不安がすこし消えて一安心しましたが、新たな不安に襲われます。

 

赴任先の店長が誰でどんな人なのかと不安が募ります。

 

店長と相性が合わなくていじめられたらどうしようかと思いました。

 

僕はすぐ赴任先の店長のことをよく知っている同僚に、どんな店長なのか

 

詳しく聞きました。

 

僕はそれを聞いて少し覚悟ができましたが、次にその赴任先の同僚との

 

人間関係がうまくいくだろうかと心配になりました。

 

それからとうとうこのお店に赴任することになりました。

 

最初は知らない人ばかりで、何を話したらいいのか分かりません。

 

本当はそうではないのでしょうが、よそ者が何をしに来たのかと

 

僕に思わせる、冷たい視線を感じました。

 

前のお店にいた同僚は、みんな温かい人ばかりだったように感じました。

 

食堂で食べるひとりの食事は冷たくて心まで凍りそうです。

 

売場に出て子供連れのお客さんを見かけると、その愛情を僕にも

 

分けてほしいと願うばかりでした。

 

それでも少しずつ周囲に溶け込むように努力しました。

 

新しい職場に慣れた頃はもうゴールデンウイークです。

 

気がつけば桜の花は跡形もなく散り果てていました。

 

住めば都といいますが、僕は今ではこのお店にすっかり慣れてしまい、

 

他のお店には行きたくありません。

 

ああ、今年はのんびりお花見がしたいな。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。