心の入れ替え

 

おはようございます。

 

僕のお店には店長のほかに副店長がいます。

 

副店長は店長の補佐をしたり、バックヤードの整理整頓をしたり、商品補充の

 

応援をしたり、現場に近いので従業員と接する時間が多くなります。

 

僕のお店にいる副店長は40代の女性です。

 

この副店長は仕事には厳しいのですが、今は愛嬌があって人間味があるので

 

僕は好きです。

 

副店長が忙しそうに仕事をしている時、ひとりのパートさんがそばに来て

 

「副店長、今日商品が大量に入荷したので残業しても補充が間に合いません、

 

後のことはお願いします」と帰り支度をしていました。

 

僕はそれを聞いて「副店長って何でも仕事を頼まれるので大変ですね」と

 

彼女に同情しました。

 

すると彼女は明るい声で「頑張りま~す」と不満な気持ちを一切表に出さずに

 

当たり前のように仕事を引き受けました。

 

彼女は誰にも優しく、いつも人に喜んでもらえるように働いています。

 

実はこの副店長と僕は、以前、別のお店で一緒に仕事をしたことがあります。

 

その頃の彼女は仕事に追われ、人のことなどかまっていられませんでした。

 

僕は彼女のことを、自分のことしか考えない冷たい人だと思っていました。

 

心の通う会話など一切なかったと思います。

 

そんな彼女がどうして今のように心が変わったのか不思議に思い、その訳を

聞いたことがあります。

 

その当時の彼女は、だんだん増える仕事の量とその責任の重さで先行きを

 

不安に思っていたそうです。

 

彼女は心身ともに限界を感じ、もう会社を辞めようかと悩んだそうです。

 

そんな彼女は仕事が休みの日、天気が良かったので、午後から気分転換に

 

近所を散歩しました。

 

歩いていても仕事のことばかり頭に浮かび憂鬱だったようです。

 

彼女が公園の近くを歩いていると、向こうから、お婆さんが乗った車いす

 

押しているお爺さんが近づいてきました。

 

彼女はこんにちはと挨拶をしました。

 

するとふたりは満面の笑みでこんにちはと返してきました。

 

彼女はふたりを見てとても仲がいい夫婦だと思いました。

 

車いすに乗ったお婆さんは、やさしいお爺さんの溢れんばかりの愛情を

 

受けて喜んでいるようで、とても幸せそうに見えました。

 

その時彼女の心に衝撃が走り、私の生き方はこれだと感じたそうです。

 

彼女は自分のことしか考えていなかったのに気付きました。

 

それから彼女は心を入れ替えて、自分のためではなく、人に喜んでもらえる

 

ように仕事をしたそうです。

 

すると周りの人たちは彼女を見て、とても明るくなったと感じたそうです。

 

そして彼女は心を入れ替えたことで心が生き返り、重荷だった仕事が楽しく

 

感じられるようになったそうです。

 

そうすることで彼女は幸せになったようです。

 

僕はそれを聞いて、幸せのヒントは身近なところにあるんだなと思いました。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。