愛を求めるパートさん

 

おはようございます。

 

僕が今の仕事に転職して間もない頃のことです。

 

僕が働く職場のパートさんで、まったく僕と性格が合わない人がいました。

 

その人は僕より年上の女性でした。 

 

みんなが忙しくしている最中に、彼女はいつも仕事のことで同僚に聞くんです。

 

「鶏肉の唐揚げ用、午後から10kg作れば足りるかしら」など何でも聞きます。

 

入ったばかりの素人ではありません、ベテランです。

 

自分で判断しない彼女は、みんなから迷惑がられていました。

 

こんなこともあります、僕がうっかり売場の温度チェック表の記入を忘れていた時、

 

彼女は、「忘れちゃだめじゃないキチンとしなきゃ」と冷たく叱ります。

 

その時一カ所、基準の温度を越えている場所があり、彼女にどうしようかと

 

尋ねると、「そんなこと店長に聞いて」とつれない返事。

 

彼女は人に聞くことはあっても、やさしく僕に教えてはくれませんでした。

 

彼女は自己中心的な人だと思いました。

 

ご主人とは知人の紹介で、そろそろ結婚をしなければならない年齢に

 

なったからといって仕方なく結婚し、愛を感じなかったそうです。

 

今はご主人が単身赴任で遠くに住んでいて、ほとんど帰って来ないから

 

面倒を見なくていいので楽だと言います。

 

彼女は仕事中、同僚に、「私は人から愛されたことがないの、一度だけでも

 

いいから誰かに愛されたい」と言っているのを僕は聞いたことがあります。

 

その時僕は、この人を愛する人ってどんな人だろうかと思いました。

 

僕は人情味のある人が好きなので彼女のようなドライな人は好きではありません。

 

彼女はパートさんなので仕事は午後3時で終わります。

 

僕が夕方の品揃えのために売場で仕事をしていると、制服から私服に着替えた

 

彼女が夕飯の準備のために買い物をしていました。

 

制服姿しか見たことがなかった僕は、彼女の着飾った姿を見て、きれいな花びらと

 

甘い香りの蜜で蝶を誘う、華麗なスイセンの花のよう見えました。

 

スイセン花言葉は自己愛です、彼女にぴったりですね)

 

若作りをした彼女は、主婦ではなく、男性の目を引く独身のように見えました。

 

こんな浮気心で振舞う彼女を見たら単身赴任のご主人はどう思うでしょうか。

 

僕はそれを見て、「あなたは人から愛されるのを待つのではなく、まず、

 

あなたが人を愛することの方が先じゃないの」と心の中でつぶやきました。

 

人を愛することのできない人生って惨めなものですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。