隣の芝生は青くない

 

おはようございます。

 

僕が介護の仕事をしていた時のことです。

 

介護の仕事は精神的にも肉体的にも辛いことが多いです。

 

精神的には利用者さんやそのご家族との気持ちのすれ違い、同僚との

 

仕事のやり方を含めた人間関係のもつれなどがあります。

 

肉体的には日勤・夜勤の不規則な生活や、利用者さんを抱え上げる時などの

 

重労働があります。

 

その頃僕は、介護の仕事ほど辛いものはないと思っていました。

 

他の仕事が決して楽だとは思いませんが、隣の芝生が青く見えるダメな僕でした。

 

そんな僕ですが、ある時、仕事の途中で腰を痛めてしまいました。

 

日勤でそろそろ退社の時間が近づいていた時、男性のお年寄りを車いすから

 

ベッドへ移乗した時のことです。

 

その男性は体格がよく、体重が70kg以上ありました。

 

その日は朝から腰の状態が良くなく、腰に疲労がたまっていたようです。

 

僕は今日最後の仕事だと思い、その男性を力いっぱい車いすから持ち上げました。

 

するとその時、腰に激痛が走りました。

 

慌てて同僚を呼び、ふたりがかりで男性をベッドに移乗しました。

 

仕事を終えてクルマで帰ることにしましたが、腰が痛くてなかなか乗れません。

 

やっとのことでクルマに乗り込みましたが、座席に座っても痛みが取れません。

 

運転中は、緊張感があったせいか、少しは傷みが治まったような気がしました。

 

安全運転を心がけ、ゆっくり家に帰りました。

 

家に着いてホッとしたせいか、また激痛でなかなか車から降りられませんでした。

 

家に帰るとお風呂の準備ができていましたが、入るのが大変でした。

 

体を洗うことも浴槽に浸かることもできません。

 

軽くシャワーを浴びてすぐに出ました。

 

服を着るのも一苦労、片手で壁に手を当て体を支え、片手で服を着る始末。

 

食卓のイスに座ってご飯を食べるのも苦痛で食べられません。

 

早くベッドに行って横になりましたが、横になっても痛みは取れません。

 

あれこれしましたが、一番楽な姿勢は真っすぐに立つことでした。

 

一晩中、横になって痛みに耐えながら体を休め、我慢ができなくなるとまた

 

直立不動に戻るの繰り返しでした。

 

一睡もできなかった僕は、朝一番で近くの整形外科に行きました。

 

その日は仕事がお休みで、翌日は人員が少なく仕事は休めません。

 

診察室に入ってレントゲンを撮りましたが、どうやらぎっくり腰のようでした。

 

痛み止めの注射を打ってもらい、薬と湿布をもらって家に帰り、痛みが取れたので

 

翌日出勤しました。

 

しかし、その後もよく腰を痛めることがありました。

 

これが原因で、その後僕は、スーパーに転職することになりました。

 

でも、楽そうに見えたスーパーの仕事も、介護の仕事と同じように辛いのが

 

わかりました。

 

僕はそのとき、隣の芝生は決して青くないことがわかりました。

 

生きていくことって辛いですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。